陸戦ジム

 

 

 

 一年戦争勃発以前、連邦軍上層部はジオン公国が軍事的な対決を望んでいるとは考えていなかった。しかし、公国軍が新兵器を開発しているという情報を入手していた一部軍首脳は、その対抗措置として、新兵器の開発及ぴ諜報活動を含む複数のプロジェクトを立案した。それが”RX計画”である。この計画は、U.C.0076年以隆、散発的に報告されていた公園軍の手による「巨大な人型の機動兵器」に対抗すべく、あらゆる方策を講じることを目的としていた。そして、個人や各コロニーの駐留軍などが入手した目撃報告や状況証拠などをもとに、歩行脚やマニピュレーターなどを持つとされるその兵器の実在を前提としたシミュレーションを行い、同等程度、あるいはそれ以上の能力を持つ兵器開発、または対抗措置を検討するための基礎研究が推進されることとなったのである。実際には、RX計画が具体化する以前より、公国から亡命してきた技術者がもたらした情報に基づいて各種の計画が立案されていたとも言われているが、詳細は不明である。ともあれ、そういった事情のカムフラージュも含め、この計画には既存の軍需産業も参画することとなり、数年前より継続していた兵器の開発計画もいくつかが繰り込まれたものの、統括すべき連邦軍の方針が定まらず戦略的にも戦術的にも確固とした指針のないまま、散漫とさえ言えるような素案が山積みしていった。

 一年戦争勃発によって趨勢が決して後、RX計画に連なるプロジェクトを統合する形で、本格的な高性能機と、その母艦との開発を並行して行う「V作戦」が立案実行された。当初GMの量産計画はRX−78並みのスペックを目標とするものだったが、戦況を鑑みて決定された調達数の大幅増により、一機あたりのコストを極力絞った量産計画に変更された。それに基づき、いわぱコストダウンされた機体がRGM−79ジムなのである。

 RGM−79〔G〕いわゆる”陸戦型ジム”は、MS量産計画最初期において先行試作された量産機である。この機体は、前年度から最強のMSを目指して開発が進められていたRX−78の実働データ回収以前に試験的に量産されたため、ある程度限定された環境でしか稼働できない(他に、宇宙用に特化されたRGM−79〔E〕も少数生産されている)。ただし、少なくとも”重力下”こおけるスペックはRX−78に匹敵すると言われるほど高性能な機体となっており、内装部品などは地上戦用にチューンされているため、機動性、運動性能共に、後の本格量産型を上回っており、扱いやすくなっている。

 運邦軍の地上部隊においてオデッサ作戦以前にMS部豚が配備されたのは、公国軍による地球降下作戦によって侵食された地域の周辺領域が多く、特に各種資源鉱床や工業設備、表たは支配地域の拡大が懸念される戦線などへ優先的に投入されている。


 RGM−79〔G〕の頭部は、頭頂部のメインカメラ部と、ユニット化されたデュアルカメラを単体のデパイスとする構造を持つ。この構造は、いわゆる”無印ジム”にほぼそのまま受け継がれ、連邦系量産MSの特徴となっている。RX−78のメインコンピューターはコア・ファイターに搭載されていて、頭部ユニットは副次的なコ・プロセッサーフレームが搭載されていたが、RGM−79〔G〕のメインフレームは、頭部及ぴコクピット周辺に分散配置されている。これは、フルスペックの教育型コンピューターの量産が困難であったという事情にもよるが、実際には陸戦用に限定特化された機体には過剰な品質であり、スベック的には稼働を安定させるためのデチューンさえ施されていたのである。

 陸戦型ガンダムには、78系の鈍正品も採用されていて、前線の要請に応える形で通信能力や近接戦闘能力の強化なども計られていたが、陸戦型ジムには、あくまで近いスベックの同等品が供給されている。ただし、部品の交換や更新、改装など、補給においては安定した供給を受けられるというメリットもあり、前線における稼働率の向上など、MSの量産化そのものの有効性を証明することとなった。

 RGM−79〔G〕に特徴的なのは、コクピツトをはじめとする制御系と主動力炉の構造や配置である。これは運用される戦術の根本的な差異によるもので、それはバックパックの機能や構造などにも現れている。
 RGM−79〔G〕ジムは、いわゆる78ガンダムの量産化を指標としてはいたが、その構造には大幅な変更が施されている。コア・プロック・システムのオミットは元より、コクピットやメインジェネレーターのスペック、配置の変更やマルチランチャーといった武装の追加など枚挙にいとまがない。これは生産性の問題というよりも、主に重力下での運用という前提と、投入領域の優先順位から導き出されたシミュレーションに基づくものであった。パイロットが機体に昇降する際の補助設備や、大がかりな施設を必要としない整傭ノウ八ウの確立など、基本的に宇宙空間での運用を前提としていたMSの構造そのものを、陸戦部隊が持つ経験に基づいて大改修を施したのである。大戦後期に大量に生産された、いわゆる“無印ジム”が、大幅にコストダウンされていたとはいえ、基本的には78ガンダムの構造を継承していたのに比べ、この機体は基礎設計そのものに陸上での運用を想定した改装が施されているのである。
 地上においてMSの脚部は、特に重要なユニットであると同時に、最も酷使される部位でもある。特に陸戦型ジムは、既存の軍用車両などに替わる兵器としての運用も想定されていたのである。
 MSは既存の兵器体系を刷新する存在ではあったが、兵站や戦線維持そのものにまで適用されることは希だった。ことに、地上戦においては地勢や気候などの影響が大きく、既存の戦術に則らなけれぱならない要素も依然として大きかったのである。ただし、戦闘兵器としてMSが戦場のありようを変革したのも確かで、戦闘車両をはるかに上回る走破性を持ち、自らの戦闘能力を単独で移送できるという兵器は、それまではありえないものだった。その機動力をもたらす脚部は、MSにとって最重要なユニットであり、特にRGM−79〔G〕の脚部には、地上用に特化された特徴が集約されている。膝部装甲には格闘戦に対応したスパイクが追加され、原器となったRX−78ではコ・ジェネレーターやプロペラントタンクバ一ニアユニットなどが収められていた下腿部には、大容量コンデンサーやビーム・サーベルラックなどが収められ、構造そのものが高密度にまとめられている。

加えて、塵挨の混入しにくい構造が採用され、メンテナンスも少人数で可能なように配慮されている。案際、最も衝撃を受けやすく、金属疲労を起こしやすい足部接地面などのオーパーホールは、搭乗者単独でもある程度可能であったとされている。

 

1/100 陸戦ジムに挑戦!

 パーツの分化がとても進んでいて、合わせ目を消す作業自体がほとんどないキット。
 プロポーションも申し分なく、今回はほとんど素組に近いです。
ただし、アニメの彩色がおもちゃっぽくっていやだったので、砂漠戦用の機体をイメージしたブラウン系の色でまとめました。ウェザリングは、あまりうるさくならない程度に抑えました。
 何が大変だったかというと・・・武器が豊富なこと!本体より手間がかかってる印象を受けました(TT

・下地サーフェイサー1200番。
・パーティングライン、繋ぎ目処理。
・トップコート、つや消し仕上げ。

 



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